テーマ 118 自分の意志、想いを発揮し、仕事を創造し、
新たなお客様、新たな売上・利益を生み出し、
新たな現実をつくる
■知識創造とは自分の想いを現実のものにすること
一橋大学 名誉教授の野中郁次郎氏が
エグゼクティブ・リーダーズ・フォーラムの
講演の中で次のようなことをお話しされています。
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知識創造企業では、企業を単なる収益を生み出す道具ではなく、
知の創造体であると捉えることが重要である。
知識は、天然資源のように誰かに発見されるものではなく、
人が関係性の中で創る資源である。
そのため利用する人の思いや理想、感情などで、
意味や価値が変化するダイナミックな資源といえる。
知識創造とは個人の信念を真実へと正当化していくための
ダイナミックな社会プロセスである。
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野中教授が言われるように、
仕事はお金に直結するといった考え方だけではなく、
もっと幅の広い視点をもつことが重要です。
仕事とは・職場とは、「自己実現、自分の意志、想い」を
発揮する場、実現する場ととらえることが重要です。
■一つ高い次元を目指した目標を設定し、
関係者に説明し納得協力してもらう
16世紀フランスの思想家・哲学者モンテーニュが
言った言葉に下記のようなものがあります。
「心は正しい目標をなくすと、偽りの目標に、はけ口を向けるものだ」
管理職者は、きちんとした目標を持つことが重要です。
今と将来それぞれにおいて獲得すべき成果を認識し、
バランスさせ実践させていく力ほど、
管理職者の成果(能力)を分けるものはありません。
管理職者の本来あるべき仕事の原点は、将来の目標、ビジョンです。
現状をよく見極め、考え抜いた上で目標を設定し、
仕事を創造し、新しい現実を生み出していくことが
管理職者の仕事となります。
次元の高い目標のない 改善の積み重ねは、
現状維持の延長線になりかねません。
「こういうものをつくりたい」「こういう状況にしたい」
「こういうものを提供するとお客様が喜ぶ」
このような想い、ビジョンを目標として掲げ、
関係者に共感してもらい、協力してもらえる管理職者、
そして実現していく管理職者が、
新しい現実を生みだす管理職者、変革者といえます。
自分が立てた目標と今のギャップが自ら生み出した課題となります。
現場の複雑で難しい現実を踏まえた上で、
課題解決のための行動計画を考えて、考えて、考え抜き、
今とは、非連続的な面もある一つ次元の高い目標を
実現させていくのが、本来の管理職者の仕事となります。
関係者の人たちに説明し、納得してもらう際には、
「理と情」といわれるように、自分の言葉で、
「現在の状況」と「何故今この目標、行動計画が必要なのか」を
筋道を立てて話すとともに、相手の状況や心理を
よく理解した話し方をする必要があります。
特に、部下の方に話すときは、部下の方の主体性を重視した
丁寧なコミュニケーションをすることが重要です。
自分の言葉で話すことにより、お客様や仕事に対する、
知識や経験を踏まえた考えの深さ、
上司、同僚、部下に対する気遣いや配慮、
このようなことが、自然に言葉の中に現れ、言葉の重みが伝わります。
また自分の言葉で話すことにより、
主体的にオーナーシップを持って行う意思表示ができます。
管理職者は、現在行っている仕事から獲得すべき成果、
今とは次元の異なる将来の目標から獲得すべき成果を明確に設定し、
具体的な行動計画を立て、関係者に納得してもらい、
時間管理をしっかり行い、仕事を進めていくことが重要となります。
自分の意志、想いを発揮し、仕事を創造し、
新たな売上・利益を生み出し、
新しい現実をつくっていくことが重要です。
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